翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 113

ページ: 113

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【右丁】                    内海甚右衛門殿話 〇谷中三崎法住寺《割書:新幡随院|といふ》門番の家《割書:南の方の|表門なり》潰れ門番人は馳出  て即死する族四人は寐入たる侭に死したり是は速に馳付て助る  人あらは四人の内助る事もあるへかりけれと此辺本坊を離るゝ事  遠し門前に武家地もありしかと各惧【おそれ】り且己か家にかゝつらひて  助る人もなかりしなるへし                   三河町三丁目                      家主伝右衛門話 〇橋本町附木【つけぎ】店に住し者本所辺に素人浄瑠璃の寄せ場とい  へるに大景物といふ物を出す由にて其催主をたのまれ件の器物  類を買調へて荷ひ行ける同道六人ありともに此道に携れる 【左丁】  人なるへし明日こそ初日の興行すへしとてかたらひ居ける  時揺出しけれは逃出して広【廣】場へ出けるか更に足の止るへきにあ  らねは七人手をくみてあなたへまろひこなたへこけ揺止て後に  家に帰らむとせし頃道すから崩たる家の下より男女の泣声にて  助けくれよと叫ふを聞て心苦しく思ひけれと己ともが妻子の安  否も聞かされは心ならす聞流し漸く家路を求て帰りしとなむ                    通新石町新八話  〇かゝる怱(サウ)【怱は悤の俗字】劇(ゲキ)【せわしく、忙しいこと】の中にも黠智(カウチ)【悪知恵】の者あり神田仲町壱丁目漆屋惣右衛門  といふもの地震の朝ふと心付俄に催して多くの樽を用意し雇夫  十七八人を連れて本所なる御漆蔵へ趣しにかの地には官吏漆樽の