翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 117

ページ: 117

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【右丁】  いひかけはては打擲【ちょうちゃく=人をぶつ、なぐる】に及ふ事数度也姑も又 跋扈(パハコ)【思うままにのさばること】にして住うかり  しかは窃【竊】に実家へ逃て帰らんとしけるを見咎られて厳しく折檻に  あひ夫より後は替る〳〵守り居て聊のひまなしやゝ日数暦【かぞえ】て少し  く怠あるを看て日たへる頃逃れ出たり追手もや来るへし迚こ小舟を  かりて漸くに里方に帰り夫より他家に忍ひ隠れて居り里方にて  も心待して昼夜安き心なかりしか如何してか来らすしかるに一両日  を過て地震ありその嫁したる家潰れて挙家【きょか=一家全体】死したる由聞えしか  は一家こぞりて悦ひける由是は普通の人情是非なけれと其妻も又  倶に地震大明神鯰大権現といひて喜ひあひけるはいと悪むへく  こそ 【左丁】                      深川潜蔵殿話 〇本所松坂町二丁目の内土俗【どぞく=その土地の風俗習慣】上野屋敷《割書:吉良上野殿屋鋪跡也|又誤て師直やしきとも云》と唱ふる長  屋潰れ同時に二十七人即死せり                      堀内霊堂殿話 〇本所御船蔵前町酒屋某家潰れ直に焼て七人程死す《割書:家内残る|ものなし》  此あたりは此外にも一家皆忘ひ【「亡び」の誤りカ】失たるかありし由なり此町は二ヶ所  程火出たるか故己〳〵か家にかゝつらひて他人を助るの暇なし都て【すべて】  家潰れし上に火起りたる所は怪我人多し                      長岡町茶店婦人話 〇或武家の家の家来三人本所長岡町菓屋といへる貨食舗の二階に酒呑