翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 119

ページ: 119

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【右丁】 〇本所緑町坊正関岡平内《割書:七十余(餘)にして|身体不随》地震間もなく家潰て下に成  速に焼て死たり此家に在りし恵心僧都作弥陀仏【佛】像福冨の草紙原本  等も焼たりと聞ゆ 〇深川元町同佐藤忠右衛門家潰れて梁に打れ土中に埋る其子虎  次郎他に行て地震に驚き家に帰り潰家の下を捜り土中を穿  て辛ふして僕とともに引出しけるか死人の如し在合ふ戸板に乗  せて海辺新田なる年寄与右衛門か許へいさなひて介抱す其時子供  をも助け出したり其妻と末子一人門の倒るゝにあひて即死せ  り其後火に逢ひ鎮りて後あやしの小屋をしつらへてこゝに住し  父をはしるへ【しるべ=知り合い】の方にあつけて療治を加へしに些【すこ】しく快気に趣ける 【左丁】  より虎次郎は劇職【忙しい職務】の暇陰霽【いんせい=くもりと晴れ】を厭はす日々遠きより怠らす  通ひて療養其外厚く心を用ひていたはりしかは官府に召れ  て御褒美あり銀子をも賜りたり 〇深川黒江町の坊正【ボウセイ…「坊」はまちの一区域をいい坊正或は坊長というは街の長のこと。】 齋藤助之丞其家潰れ妻は懐胎して臨月  にてありしか圧【壓】に打れて即死す母も倶に打れて三日程煩  らひて死す 〇深川平野町坊正平野甚四郎か手代三人とも家潰るゝにあひて  即死したり 〇本郷四丁目の坊正塚谷又右衛門地震の時寐て知らす家族に強く  揺り起されて漸く目覚てあたりを見るに家傾き壁破れたるを