翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 124

ページ: 124

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【右丁】 〇四谷の辺に住る信州辺の産何かしは地震の時たゝちに大路へ  走り出たりしか在り合し斧を持て欠【「駆」とあるところ】出しかいかなる故か深川の  ほとりに行こゝかしこあるきしに家潰れて其下に泣きさけひけ  るものあり相応【應】の冨家と見へけれは我この斧を以て汝を助得さ  すへし汝所得の金あらは五十両を得さすへしといふかの者答て望  の通り与ふへき間速に助くれよといひけれはたゝちに斧をもて  材木を薙て助得させたり則約束の通り財布を探出して与【與】へ  しを持帰り改しに内に七十金あり廿両余【餘】計なりとて翌日かへし  与へしとそ又このあたりに嗚呼(オコ)【原文の「嗚」の字、旁が「鳥」になっているのは誤り】の者ありこの噂を聞て翌日金儲け  すへしとてそここゝ尋あるき幼子の泣く声聞て潰家の下より 【左丁】  助け出由しかしるへ【しるべ=知り合い】の人も居らす事問ふへき方もあらされはせんす  へなくて其日は家に抱きかへり次の日行て父母を尋しに皆死失たりと  聞て拠【よんどころ】なく昼夜幼子類もりして過しけるとそ 〇下谷紅葉番所の際に住る浪人桜任蔵いかなる故にや去る方より  水府【水戸蕃の別名】侯の臣藤田誠之進へ送るへき金子を預りしか地震の時藤田  氏一家亡ひぬと聞て贈るへき方なく近隣の貧人へ頒ち与へたり此  よし御舘へ聞えて尚金子と米穀をさへ賜りしかは再貧人へ恵むへ  きよし願ひけるとそ 〇越中侯の臣内藤忠二郎家冨たり町方住居を願て深川清住町  万年橋の側に居せり壮麗たる家作りなれと此辺【邉】振動烈しくし