翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 125

ページ: 125

翻刻

【右丁】  て壁土震ひ落家顛倒したり其家の娘并に或御籏本某より貰受  たる養女とゝもに土に埋れ材木に挟れて出る事ならす常に出入  せる大工鳶のものかけ付来りしかは大鋸をもて巨財【「材」の誤りカ】を引切て家の  娘は漸くに援出したり養女は壁土に埋れ泣居たりしか家の娘を助  るに暇とりて後になりたれはかの土次第に重り息を止め終に空しく  成しとぞ                       堀内雪堂殿話 〇本所御船蔵前町酒屋某家潰れ直に焼て七人程死す《割書:家内残る|者なく》此  あたりは此外にも一家皆亡失たるかありし由なりこの町は二箇所程  火出たるか故己〳〵か家にかゝつらひて他人を助るの暇なし都て【すべて】家 【左丁】  潰れし上に火の起たる所は怪我人多し 【この話はコマ117にも出ていて話者が堀内「雪堂」でなく「霊堂」となっている】                    本所長岡町茶店婦人話 〇本所南割水典薬頭今大路右近殿地震に家悉く潰れ主人内室娘  并家来皆死したり残りし者少年の息子と若党【黨】壱人のみと 【この話コマ123左頁に出ている話と重複】             浅草書替町   森川甚右衛門殿話 〇浅草瓦町瀬戸物屋の裏に錫の器を製する職人何某の家に食  客【いそうろう】となりて居たりし母子は信州某の郡某の村の者也しか弘化以  来彼地度々の地震ありしに恐怖して娘を連て江戸へ来りこの  家を便【「頼」とあるところ】りて宿しけるか二日の夜柴の辺しるへの方へ娘《割書:十六|才》をつれ行  て泊りけるか此夜地震にて其家潰れ娘は材木の間に挟れて逃る事な