翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 39

ページ: 39

翻刻

【右丁】 〇玉川上水四ツ谷大樋潰れ下町々甚不便利なり程なく修理を  加へられたり 〇所々法花宗寺院の会【會】式多くは諸人少しされと堀の内村妙法寺  は十三日に参詣人多かりし由是は信仰の俦【ともがら】怪我なかりし報(カヘリ)賽(マウシ)【神仏へお礼参りをすること】  として詣しなるへし池上の本門寺も仝に参詣群をなしける  よし十一月二日浅草田甫祭思ひの外に群詣せり 〇地震の時深川新地松平下総守殿長屋傾三日夕方一時に潰れ又  箱崎酒井侯の長屋傾たりしか二三日過俄に潰れたり其旨【「音」には見えないが、文意からは「音」が適当。】川へ  響てすさまじかりし由又十八日芝会【會】津侯の中屋鋪長屋三棟倒る  其音夥し近きあたりへ響たるよし 【左丁】 〇板材木の価【價】作事【家などを作ること】職人傭夫の賃銭甚貴し次第に厳重の御沙汰  あり○材木は拂底にして近き山林より枝葉付たる儘の杉の木抔【など】付  出て售ふ武家町共大方潰たる家は仮につくろひし迄にて霜月にいた  りて新たに建る家は稀々にて焼たる所と潰たる所はあやう【「危う(ふ)カ】の小屋  を営みて住せり屋根板貴して藁葺の家多し   鳥さへも飛立かねる雪の間になど丸太には羽根のはえけむ  貧窮問屋「世の中をうしとはさしも【そんな風にも】思へとも飛立ちかねつ鳥にしあらねは   鐘ならてうそをつけど木たくみ【木で物を作る職人】は《割書:ね|直》【「ね」の右横にも「音」を並べ書き】によりてこそ《割書:こん|鐘音》【「こん」の右横に「来」を並べ書き】といふなる 〇活業【生活してゆくための商売。職業】を失へるもの絃哥【弦楽器をひいて歌うこと】之家俳優の輩軍書読【讀】笑話(ハナシカ)家等也哥連