翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 95

ページ: 95

翻刻

【右丁】 △向島に狐付あり檻(ヲリ)へ入置しに大地震あるへき間檻より出 して呉よといひける △大窪の辺御家人何某庭中より蚯引【「蚯蚓」=みみず、とあるところ】の夥しく出るを看て 是地震の兆也とて九月末より庭中に野宿す近隣の輩是 を識りしか果して地震し家潰れたれと合家怪我なかり しとそ   この余【餘】元儁子の談あり未に二三条をしるす               加賀町   田中平四郎殿話 〇二日昼深川辺にて堀抜井を掘らんとしけるに地の底鳴りて  仕来ならす老練の職人なりしかかゝる事は是迄聞も及はぬ 【左丁】  よし云て其日は仕事を止て帰りしとそ 〇山王町なる髪結何某外に十九人相知れる朋をかたらひ【誘い】二日の夕  海上へ漁猟に出たりしか地震の前東北の方へ時に明るう成り各  着たる衣服の染色模様まで鮮(アサヤカ)に見分る程なりしか頓て海底よ  り鳴渡りて船底へ砂利を打当るやうに聞えて恐ろしかりしが又一  団の火炎空中を鳴渡りしに弥怖ろしくなりて船を陸へ附しには  や地震の後にて始に着替の衣類所持の調度なと預けたりし永代  橋際の茶店も潰たれはその中を穿ちて品々を取出し危くして  家に帰りしとそ             新右衛門町  文鳳堂山城屋忠兵衛話