翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - 翻刻

地災撮要. 巻7-9(地震之部) - ページ 99

ページ: 99

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【右丁】  《割書:し料理人はかりは逃|出して命全しとそ》                   鑓屋町料理屋津の国屋話 〇松平時之助殿御家中にも此夜妻を迎へたる士ありて酒宴の時  地震ありて家潰れ夫婦媒人夫の妹其余【餘】十余【餘】人終りけるとそ 〇堀江六軒町乾物問屋東国屋弥七母に孝ありし人とそ地震の時  母をいさなひて逃出しか一足早くして頭上より瓦落下り灸所  に当りて即死す母は面部へ重き疵をから【ママ】むりたれと治療を加へて  助かる事を得たり 〇三谷三九郎か妻深川の別荘にて潰死〇弁慶橋内田のあるじ 【左丁】  即死す〇播磨屋新右衛門か妻幼稚の次男下女三人合六人深川木  場の別荘に行て潰死                亀戸   勝田次郎殿話 〇亀戸町に亀田宗軒といへる庸医(ヤスヰ)あり其妻懐妊して臨月にて  ありしかそ夜台【臺】に臨し時《割書:地震か先にて驚て|虫気付しなるへし》【「虫気付く」=産気付く】俄に震出しけれは  其夫妻を脊負ふて逃んとすれ共うみかゝりし身にておはるゝ事  陿(カナ)はす兎角の間に近隣に火起り次第に火近つきぬ妻か云迚も逃延  ん事かなひかたしされは八才の男子を連れ家をすてて逃退ゐへと云  夫涕泣に迫りて途方にくれししはし蹰躇(チウチヨ)してありけるか強ちに妻の促(ウナガ)  すにより止事を得すして彼男子の手を曳なく〳〵落のびてあたり