翻刻
【右丁頭書】
垢(あか)の分(ぶん)かたまりて上に浮(うく)なり
其時/金(かね)の網(あみ)じやくしにてすくひ
取又一たきすれば残(のこ)らず垢(あか)上へ
うく所を取つくし布漉(ぬのごし)にして
壺(つぼ)にたくはへ置つかふ氷砂糖(こほりさたう)も
同様にてよろし
○寒晒(かんざらし)の粉(こ)製法(せいほう) 米(こめ)を炊(かし)て
二日に一度づゝ水をかへ七日/漬置(つけおき)
石臼(いしうす)にて挽(ひ)き糟(かす)をこしさり又/桶(をけ)へ
入れ二日ばかり淪(ゐ)させ水を去(さ)り
麹(かうじ)ぶたに紙(かみ)を敷(しき)上(あげ)て干(ほし)かため
おくなり幾年(いくとし)おきても虫(むし)つく
事なし餅米(もちごめ)粳米(うるごめ)同事なり
頭書終
【右丁本文】
かけ室(むろ)へ入れば花(はな)よくつきて味(あぢは)ひ一しほよし
○白柿(つるしがき)の貯(たくは)へやう《割書:并(ならびに)|》あはせ柿(がき)の法
一/常(つね)のごとく皮(かは)を剥(むき)て干(ほし)たる後/蕎麦稭(そばがら)にて
つゝみおけば霜(しも)ふきて白(しろ)くなる也又あはせ柿(がき)は
柿(かき)の黄(き)にならんとする時(とき)とりて石灰(いしばひ)あるひは
蕎麦稭(そはから)の灰汁(あく)にひたし二三日して取出(とりいだ)し
乾(かわか)すれば青色(あをいろ)変(へん)じて黄赤(きあか)くなり渋味(しぶみ)転(てん)じ
て甘(あま)みとなる也
広益秘事大全終
【左丁】
嘉永六年丑五月新刊
河内屋喜兵衛
京摂 河内屋茂兵衛
浪華 河内屋新次郎
書肆 藤 屋善 七
藤 屋禹三郎
皇都 越後屋治兵衛