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ても類焼之場所なとにてはつゝか無きやまた死失いたし候や
尋ぬるにいつ方え参候哉なとゝ迷ひ歩行ても所を定めす
全死したるに極ても其なきからの黒焼と成りて是を證
にいたしへくこともわからすあわれなる事共成りけり右なとの
噺を承り候て江戸奉公に出すことは見合たるかたいま迄
勤居ものも暇を取て在方え引込候よしなり天災にて
迚ものかれぬことならは親子兄弟共におなしくいか様にも成へし
なと他え出し置てかくの如くなるは残念なりとての事と
承りぬ尤なることなりけり
小石川龍慶橋清水御用人相勤野中鉄太郎と云人有
大地震之節は当番にて留守には惣領某嬬【?】姉下女
家来なとも壱人有小者は弐人もありしや夫迄委細には
聞もはへらす次男九歳次女七歳に相成候よし家潰
て其内に在て早く出しくれ候へと【「早」以下右に追記】兄姉の名を両人共に【右追記】呼家来下女の名を
呼けれとも如何致候哉誰有て答るものも無く夫ゟ隣家の
平日知り居る名を戸【声】を限に呼たれとも是以誰有て聞
付助出さんと申人もなく其内に出火いたし追々火も廻り来て
両人共に南無阿弥陀佛と同音に申迚ものかれぬ事と
兄弟共に火中の炭【45コマによれば「灰」の意か】と成候事承り誠に涙に呉れたる事とも
なりき大人ならはいか様に致し候ても被出可申候九歳七歳の
児のいさゝの所なりとても押やふり候事もならす其通り潰
家の内にいきなから火災死失せしこといか成因縁か知らす扨
にくむへきは家内に人無きこと申にもあらす出火いたし候こと
なれは取残なとをのれのものを取出さんとはかりに心を