翻刻
【右丁】
《割書:即高麗芝を|云なるべし》下或は小石池を置き魚を其中に蓄ふ中に
小石を立て石上鉄蕉等の小木を植て玩とす
村径皆極て寛潔にして多く細葉の小竹を編て屏籬と
なし葉を剪て齊からしめ方整縝密なり《割書:即此方の|竹穏垣【※】》村落
皆是なり寺院の前或は黄楊を列植て剪束方を就す葉
密にして牆の如し《割書:即外込と|いふ者也》 磚牆なし毎屋四方皆中
囲牆及外囲牆は蠣石を以て塁成す首里大家の外囲牆
は磨削して一面切成が如し極て堅整なりと云
屋宇那覇に在て見所の者皆村中の民居首里に見る所
官戚大家牆垣棟宇皆極て華整なり然も又一行に屋を
【※隠垣ヵ】
【左丁】
作て内外を分つ層構複室なし
惟官署始て楹八九を連て大屋を作る毎屋一間の柱礎
多きこと二十餘所に至る屋樫木を以て梁柱を作る堅潤
細理千年蠧せず一名羅漢杉《割書:此方に云槙木大島奇|界に出るを尤良とす》屋一
間を作る費五百金に至ると云故に久米大夫の家従官
年あれども尚茅屋なる者多し首里の大家は皆此を以
て屋を造り地に鋪く久して光潤鑑むべしと云へり
屋宇之図伝信録