翻刻
【右丁】
三国通覧琉球三省の図を見るに其国経度二十五度二
十六度の正南北に長くして西南に斜(ナヽメ)ならず亦属嶋の
図其誤多く島名は伝信録に因れりと雖とも諸島の在
所之と同しからず福建よりの海路是亦伝信録に因る
と雖ども大同小異あり又大隅薩摩の属島赤水先生の
輿地図に■【挍ヵ】れは大に齟齬せり其図何れより得しにや
右に図する伝信録の図に■【挍ヵ】れば遥に劣れり清使徐葆
光其国に至り咨訪討論して始て此図を定むと云へる
も予が秘蔵する所の図と■【挍ヵ】考するに未た正図とする
に足らず因て此末に縮図して出せり見る者合せ考へ
【左丁】
て林子が図舛謬尤甚しき知るべし然も通覧図説の跋
に云三国通覧図説は小子敢て経済を言に非ず亦■【忘=妄の誤記ヵ】り
に地理の学を玩ふにも非す只武門に携はれる人をし
て三隣の地理を知しめんことを欲するのみ也是武藝の
余計あるに似たれども併ら窃に憶へは却て武門の奥
旨とも言へき歟といへり地理を知るは武門の助なり
といへとも是等の図説に拘泥せず却て大なる過と成
へし三国図説の中朝鮮国図は知らず琉球蝦夷両島の
図に於ては意揣にあらざれは深く考へさるの誤なり
又小琉球を台湾島の南に図せり是何の図書に因りて