東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

伊勢物語 - 翻刻

伊勢物語 - ページ 33

ページ: 33

翻刻

【右丁】 き。三条のおほみゆきせし時。きの国ちさとのはまに有ける。いと おもしろきいし奉れりき。おほみゆきのゝち奉れりしかば。ある人のみ ざうし【御曹司】のまへのみぞ【溝】にすへたりしを。しま【注①】このみたまふ君なり。此 石を奉らんとの給ひて。みずいしん【御随身】とねり【舎人】して。取につかはす。いく ばくもなくてもてきぬ。此石きゝしよりはみるはまされり。是を たゞに奉らば。すゞろ【注②】成へじ【ママ】とて。人々に哥よませ給ふ。右の馬のかみ成ける 人をなん。あをきこけをきざみて。まきゑ【蒔絵】の方に。此哥を付て奉りける   あかねとも岩(いわ)にぞかふるいろみへぬ心をみせんよしのなければ となんよめりける 七十九【丸で囲む】むかし。うぢの中にみこ生れ給へりけり。御うぶ屋に人々うた よみけり。御おほぢがたなりける。おきなのよめる わが門にちひろ有かげをうへつれば夏(なつ)ふゆたれかかくれざるべき これはさだかずのみこ。ときの人。中将の子となんいひけるあにの 【注① 泉水のある庭。】 【注② 何ということもなくつまらない。】 【左丁 挿絵】