東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

伊勢物語 - 翻刻

伊勢物語 - ページ 36

ページ: 36

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【右丁】 八十四【丸で囲む】むかし。男有けり身(み)はいやしながら。母(はゝ)なん宮成ける。其母なが岡(をか)と いふ所に住(すみ)給ひけり。子(こ)は京にみやづかへしけれど。まふつとしけれ ど。しば〳〵えまうでず。ひとつ子にさへ有ければ。いとかなしうしたまひけり。 さるにしはす計(ばかり)に。とみの事とて御文有を。ときてみればうた有 《割書:古今》をひぬれはさらぬわかれの有といへばいよ〳〵見まくほしき君かな かの子いたううちなきてよめる 《割書:同 》世の中にさらにわかれのなくもがな千代(ちよ)もといのる人の子のため 八十五【丸で囲む】昔男有けり。わらはよりつかふまつりける。君御ぐしをろし給ふてけ り。む月にはかならずまふでけり。大やけの宮づかへしければつねにはゑ まふです。されどもとの心うしなはでまふでけるになん有ける。昔 つかふまつりし人そく成。ぜんしなるあまた参りあつまりて。む月なれば事 たつとておほみき給ひける。雪こぼすがごとふりて。ひねもすにやます 。みな人ゑひて。雪にふりこめられたりといふを。だいにてうたありけり 【左丁 挿絵】