翻刻
なるはせかれし内の首尾(しゆび)をおもふやと
しのばしく夕(ゆふべ)は衣紋(えもん)坂にかたちを繕(つくろ)ふ
て悦(よろこ)ひ顔(かほ)なるも見 返(かへ)り柳(やなぎ)の糸(いと)にひかるゝ
きぬ〳〵のおもひげにや喜怒哀楽(きどあいらく)の四
の街(ちまた)行(ゆ)くも帰(かへ)るもわかれてはしるもしら
ぬも大門に入り来(く)る客の心といふは千 差(しや)
万 別(べつ)さま〳〵なれども皆惚(みなほれ)られたる心にて
色男きどりならぬぞなきすなはち是(これ)が
たのしみの要(かなめ)にて野暮(やぼ)もなければ粋(すい)も