翻刻
棒(ぼう)五町分の提灯(てうちん)さきを払(はら)ふがごとし箱
てうちんは若者より大くして茶屋の送(おく)り物
に行違(ゆきちが)へて頭上(かしら)にさゝげくり出(いだ)す外(そと)は文
字蹴出(じけだ)し【裾除け】褄(つま)の縫模様(ぬひもやう)翩飜(へんぽん)とひるがへり
駒下駄(こまげた)の音(おと)は両 側(かは)にひゞきておいらん
お目出たふの声(こえ)門竝(かどなみ)に繁(しげ)し茶屋の
御 亭(て)さんは江戸へ行なんして内の事に
かまはずおかさんの挨拶(あいさつ)かん高にてう〳〵
しき【軽薄で馴れ慣れしくお世辞たっぷりである】を真向(まむき)にうけこたへて客人を横に