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第二章 第二節 水道施設 三十
上水道水源として伏流水の採用はさい最近の水道計画には漸く研究せらるゝもの多
きを加へ來つたものでありますが之が利益として挙ぐべき特徴が二つあると思
ひます。即ち其の一つは水量が比較的地表水に比べて均一を保つことであります。又
一つは地表水の如く表面流水でありませんから塵埃等の浮流物の混流がありませ
んが故に地表水によ依る上水道水源の如く一且沈澄毛を通過せしむるの煩が省略で
きることであります。つまりこと言葉を換えますれば伏流水は不完全ではありますが、集
水井に入るまでに一且地下を濾過して来ますから更に之を地表水水道の如く沈
澄池に導き荒濾するの必要がありませんのと、猶又濾過速力を比較的速めることが
出来ますが故に隨つて是等に要する大きな設備が永久に省略されることでありま
す。
二、浄 水 場
以上の如く幸に伏流水に依る水源地を選定し得ました関係上之を原水を濾過
し所謂浄水を給水場へ導水しまする送水管の延長を比較的短略することが出
来ました。即ち送水管の延長は僅かに三十三町で済みました。之れ蓋し本上水道布設
工費の低廉なる一の理由であります。
三、給 水 場
給水場の選定も亦上水道の計画の可否を左右するは勿論で之れが選定宜しきを
得ねば永久に於いて不利益を蒙るのであります。幸に同郡石巻村大字多米地内に於け
る高地を以て之に充つるの計画を樹てえましたから同所より全給水区域へ自然
配水が容易に行はれて亦水厭も相当に贏ち得られるのであります。
四、給 水 区 域
給水区域は市内は岩田町の一部岩崎町飯村町の一部は何れも近き将来に於ては人口稠密を期待し得られざるものと認めましたから、此の部分を除きました外の全
市及び下地町大字下地の市街地を以て之が区域と定めました。蓋し下地町は豊川
を隔てると雖も本市とは密接の商取引も多い関係もありますし又交通往来共何等
市と異なるものがないのでありますから同町の希望を容れて給水区域に編入しま
した。
五、設計基本の人工等
豊橋市及下地町に於ける上水道の全給水区域の人口は大正十四年末現在約八萬
第二章 第二節 水道施設