琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 中 - 翻刻

南島紀事 中 - ページ 32

ページ: 32

翻刻

発し今帰仁にそ着きにける折節大将久高は今 帰仁城に在りしか暮に及んて本艦に還りけれ は西来院等は尚寧の旨を伝へ只管罪を謝す然 れとも心事測り難けれは久高は大慈寺の僧龍 雲市来織部村尾笑栖等をして之に応対せしめ 且伝へしめて曰西来院長老江洲栄真は那覇に 還るへし又名護按司は留りて織部の舟に乗る へしと是の日副将増宗等は今帰仁城を攻む城 兵旗幟を望みて遁走す水軍は廿九日払暁運天 港を発し陸軍は四月一日を以上岸す本島の山 岳頗る崎嶇島人は険を恃みて備を設けす然れ とも或は伏兵のあらんことを畏れ到る所火を放 ち山を赭にして進む時に若那は久米村の城に 拠りて拒戦す薩軍攻て之を抜く若那遁れて首 里に走る小松助四郎追撃して之を捕縛す斯く て水軍は那覇湾より上陸し浦添城を火攻にし 龍福寺を焼立て水陸の軍勢南北より討入り進 んて大平橋外に迫り首里城を囲む尚寧は越来 親方を将とし宗徒の軍兵百余人を発して防き 戦ひ或は伏を設けて薩軍の過るを要撃す薩軍