琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 中 - 翻刻

南島紀事 中 - ページ 33

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大に怒りて奪戦数刻銃丸雨の如し此時城間鎖 子親雲上丸に中りて倒ると均しく薩兵の其首 を挙るを見るや城兵怖れて敗走し復た一人の 支ふるもの無し此日薩軍の死傷亦少なからす 時に大慈寺龍雲市来織部村尾笑栖等那覇に在 り具志上王子尚弘は西来院菊隠名護按司池城 安頼豊見城盛続江洲栄真喜案津見らを率ゐ親(オヤ) 見世(ミセ)《割書:役所|名》に来り三司官等連署の謝状を捧け降 を乞ふ久高衆議の上之を許す是夜具志上王子 は尚寧の寝室に入り諭して曰今日の現状如何 ともすへからす人或は曰優柔不断にして汚名 を後世に残さんより潔く城を枕にせんには若 かすと是武夫小人の言のみ大人君子の取る所 にならす顧みれは内殿夫人在ませり侍婢亦少 からす惨状を眼前に見ること固より美事にあ らす況や社稷を失ふをや臣か見る所によれは 速に城を下り尚家を全ふし永く宗廟の祀を保 たんにはしかすと言畢て涙々雨の如し尚寧曰 吾は汝に従はんと袖浸しつゝ夫人を携へ板輿 に駕して城を出て名護按司の宅にそ舎りける