琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 中 - 翻刻

南島紀事 中 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

【右頁】 の人大安里と云もの一見して曰此人後必す億 兆の上に立んと後故あり国頭に来り越来王子 泰久に依る泰久信して思達王に薦む思達用て 筑登之(チクドン)とす尋て筑登之親雲上(チクドンパイチン)に進む泰久王位 に即くに及ひ内間の地頭とに長禄三年鎖之側 官に任す初め尚徳の薨するに当り法司等世子 を奉せんとす仍て例に遵ひ群臣を集め牛耳を 切り此事を告く群臣皆法司の権勢を畏れ相顧 みて言ものなかりしか忽一人の老臣鶴髪を揮 ひ身を挺て出て高声に言て曰国家は万姓の国 【左頁】 家なり一人の国家に非す吾先王の所為を観る に暴虐無道なることは商紂にも勝り酒池肉林の 驕奢は夏桀も及はす祖宗の功徳を念はす臣民 の艱苦を顧み玉はさりき今又世子の幼沖を以 て之に継かは恐らくは生民塗炭の苦を救ふこと 能はさらん幸に内間の地頭御鎖之側金丸寛仁 大度四境其徳を称楊せさることなし民の父母と 為す此人を除き復た誰とかする是れ天我君を 生する也と言未た畢らさるに満廷の臣民異口 同音に其言の允とに当れるを言ふ貴族近臣は