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【右頁】
早くも其変あるを察し先を争ふて逃走す夫人
乳母は世子を懐きて真玉城に匿れけれは城兵
之を追ひ遂に世子をそ殺しける是に於て群臣
鳳輿龍服を整へ内間《割書:内間ハ西原間切嘉手苅村|ニ在リ村ニ一殿アリ内間》
《割書:御殿ト曰フ即金丸ノ故宅也今存スルモノハ蓋|故墟ニ就テ再建スルノミ別ニ一厰アリ一大石》
《割書:碑ヲ置ク其文尚敬|王自撰并書ニ係ル》に至り金丸を迎ふ金丸大に
驚きて曰我聞く伯夷叔斉は武王を諫めて首陽
に餓へたりと我将た故山に隠れんのみ卿等急
き首里に還り宜しく賢徳の人を薦めて君とな
すへしと固く辞して就かす去りて海岸に遁る
【左頁】
群臣追隨極言して請て曰君若し出てすんは天
下の蒼生を奈かんせんやと金丸天を仰き流涙
雨の如し竟に野服を脱し龍衣を着け首里に至
り大位を践む後其岸を呼て脱衣岩と曰ふ《割書:岩ハ|今海》
《割書:中ニ|アリ》三年長史蔡璟使者呉司馬、益周間、宋壁、《割書:三|員》を
明に遣し方物を貢し尚徳王の訃を告く尚円武
実を以て法司とす《割書:是歳島津忠国卒ス忠国老境|常ニ琉球ニ航スルノ志アリ》
《割書:遂ニ果サスシ|テ没スト云》四年正月島津立久使者を琉球に
遣し太刀を贈り来朝を勧め且符を尚円に授け
我々諸船の符を持せさる者は琉球に入ることを