翻刻
【一丁ウ】
あれば。色(いろ)あしく候。併(しかし)塩(しほ)を能(よく)あらひ。上皮(うはかは)に少し紅(べに)を
ぬる也。紅王余魚(べにかれい)。紅 鱸(すゞき)。紅きすご。魴(まながつを)にても。右の通り
浅黄鯛(あさぎだい)の仕方(しかた)
一 黒豆(くろまめ)弐合ほど。汁(しる)の黒(くろ)くなるまで焚(たき)。こしらへおき
鯛は。うす塩をあてをけば。能(よく)染(そま)り申候。是も熱湯(にへゆ)に
ざぶと入れ。直(すぐ)にあげ。右の汁(しる)へ漬(つけ)申候。此遣ひ方
も。前書(ぜんしよ)の通り。料理人(りやうりにん)のこゝろにまかすべし
山ぶき鯛の仕方
一 是(これ)もさし身に遣ひ申候。くちなしのせんし汁に
【二丁ヲ】
つけ申候也。また卵(たまご)の黄身(きみ)をぬりて。火どりに
てもよろしく候。これは仕様(しやう)よく〳〵ねんを入
こげぬやうにやく也。切 重(かさ)ねにして。さしみもの
平皿(ひらざら)。ちやわんもの。菓子椀(くはしわん)とりざかな。台(だい)びき
いろ〳〵遣ひかたあり
かきもち鯛の仕方
一これも右のごとく。鯛(たい)の皮(かは)をひき。巾(はゞ)五部。ながさ
二寸ほどに切。ふり塩(しほ)をして。しばらくをきて
水にてあらひ。葛(くず)をよく〳〵粉(こ)にして。まな