翻刻
乙酉初秋中有四日
園中折莖寫生
多識編麻麥稲類ニ曰
大麻 《割書:和 阿(あ)|名 左(さ)|》 《割書:異|名|》火麻(くわま)《割書:日|用|》 黄(わう)麻《割書:俗|名|》 漢(かん)麻《割書:尓雅|翼|》
雄なる者を名く 枲麻(せんま)《割書:詩| |》 牡麻(ぼま)と《割書:同|》 雌なる者を名く
苴(しよ)麻《割書:同|》 茡(じ)麻と《割書:音|字|》 花を名く 麻 蕡(ふん)と《割書:本|經|》 麻‐
勃(ぼつ)と 本經曰麻 蕡(ふん)曰一名は麻 勃(ぼつ)と蘓 敬か曰
義 蕡(ふん)とは即ち麻の實非る花に也尓雅に云 蕡(ふん)とは 枲(ひん)の
實也義禮曰 苴(しよ)麻之者 蕡(ふん)者と註曰
有子之麻を爲 苴(しよ)麻と皆謂子也時珍か
曰按るに呉普本草云 勃(ぼつ)一名は麻花
又麻 藍(らん)一名は麻 蕡(ふん)一名は青 櫖(よるとき)は
此説に則麻 勃(ぼつ)は是實麻 蕡(ふん)は是實麻
仁は是實の中の仁也
元寿曰世上に皆一つに麻苧と云へり麻の皮を苧と称す皆 忒(たかふ)て通称す麻苧は二種にめ麻(ま)はあさ也 苧(お)はからむし也 剥(むき)皮を
絲とす是を苧と云《割書:又白髪|と云|》曰直苧と羽州最上の産良し布に織り 晒布(さらし)と云奈良を名産とす亦越後縮に織る皆
からむし也麻も皮を取りて糸とし索とし綱及 とし布とす毎年七月十五日魂を祭るに庭燎に必す苧殻を焚く
鬼祭の箸とす又麻の灰鉄炮の藥に合す此は麻の殻なれ共古來よりの誤は謬のまヽ傳て之不可容易改め