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つかぬ【注①】御心かまへのけにこそはとことはりはけにいつ
かたにかはよる人侍らむとすらんとすこしうちわら
ひぬかく心こ(こ)はけれ【注②】といまはせかれ【塞かれ】給へきならねは
やかてこの人ひきたてゝをしはかりに【注③】いり給宮
はいと心うくなさけなくあはつけき【注④】人の心なり
けりとねたく【注⑤】つらけれはわか〳〵しき【注⑥】やうにはいひさ
はく【注⑦】ともとおほしてぬりこめ【注⑧】におまし【御座し】ひとつしか
せ給てうちよりさし【注⑨】ておほとのこもりにけりこれ
もいつまてにかはかはかりにみたれたちにたる人の
心ともはいとかなしうくちおしうおほすおとこ君はめ
【注① 世づかぬ=男女の仲をしらぬ。】
【注② 「心ごはし(強し)」の已然形=気が強い。】
【注③ 推量して】
【注④ 分別が足りず軽率である。】
【注⑤ 憎らしく。】
【注⑥ いつまでも子供っぽい。】
【注⑦ 「言い騒ぐ」=あれこれ言って騒ぐ。】
【注⑧「塗籠」=衣服、調度など手近な器具を納めて置く所。】
【注⑨ 「鎖し」=錠をおろす。】