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さふらひていとなみけりかくせめてもすみなれかほ【注①】につく
り給ほと三条殿かきりなめりとさしもやはとこそか
つはたのみつれまめ人【注②】の心かはるはなこり【注③】なくなときゝ
しはまことなりけりと世を心みつる心ちしていかさまに
してこのなめけさ【注④】をみしとおほしけれは大殿へかたゝ
かへん【方違へん】とてわたり給にけるを女御のさとにおはする
ほとなとにたいめ【注⑤】し給てすこしものおもひはるけ
所【注⑥】におほされてれいのやうにもいそきわたり給はす
大将殿もきゝ給ふてされはよいときうにものし
給本上なりこのおとゝもはた【注⑦】おとな〳〵しう【注⑧】のと
【注① 「住み馴れ顔=住みなれていること、またそのさま。】
【注② 堅物(かたぶつ)】
【注③ 心に残ること】
【注④ なめげさ=無礼な言。】
【注⑤ たいめん(対面)の「ん」を表記しない形】
【注⑥ 思いを晴らすことができる場所】
【注⑦ はた=やはり】
【注⑧ まことに大人らしい。】