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く心よからぬ御けしきあくかれまとひ【注①】給ほと大殿
の君はひころふるまゝにおほしなけくことしけし
内侍のすけかゝる事をきくにわれをよとゝも【注②】
にゆるさぬものにの給なるにあなつりにくき
事もいてきにけるをと思ひてふふみ【ママ】なと
はとき〳〵たてまつれはきこえけり
かすならは身にしられまし世のうさを
人のためにもぬるゝ袖かななまけやけし【注③】と
は見たまへとものゝあはれなる程のつれ〳〵にかれ
もいとたゝにはおほえし【覚えじ】とおほすかた心【注④】そ
【注① あくがれまどふ(憧れ惑う)=すっかり心を奪われて夢中になる。】
【注② 世と共=つねづね。】
【注③ 「なま」は接頭語。なんだかわずらわしい。】
【注④ 片心=わずかな関心。】