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なくねもたきのをともひとつにみたれてえんな
るほとなれはたゝあり【注①】のあはつけき【注②】人たにね
さめ【寝覚め】しぬへき空のけしきをかうし【格子】もさなから入かた
の月【注③】の山のはちかきほととゝめかたうも さ(の)【「さ」の左に「ヒ」と傍記】あはれ
なり猶かうおほししらぬ御ありさまこそかへりては
あさう御心のほとしらるれかう世つかぬまて【注④】しれ
〳〵しき【注⑤】うしろやす き(さ)【「き」の左に「ヒ」と傍記】【注⑥】なともたくひあらしと
おほえ侍るをなにことにもかやすき【注⑦】ほと【注⑧】の人こそか
かるをはしれものなとうちわらひてつれなき心
もつかうなれあまりこよなく【注⑨】おほしをとし【注⑩】たるに
【注① 普通の。】
【注② 軽々しい。】
【注③ いま没しようとする月。】
【注④ 世間しらずで。】
【注⑤ とぼけていて】
【注⑥ あとは安心だと感じる。】
【注⑦ 何の気遣いもいらない。】
【注⑧ 身分。】
【注⑨ 格段の違いで。】
【注⑩ おぼしおとし(思し落し)=人より軽くお思いになる。】