← 前のページ
ページ 52 / 156
次のページ →
翻刻
れいにもあらぬとりのあとのやうなれはとみにも見と
き給はて御となふら【殿油】ちかうとりよせて見給女君
ものへたてたるやうなれといととくみつけ給ふてはい
よりて御うしろよりとり給つあさましうこはいか
にし給そあなけしからす六条のひんかしのうへの
御文なりけさ風おこりてなやましけにし給
つるを院の御まへに侍ていてつるほとまたもまうて
すなりぬれはいとおしさにいまのま つり(いか)【左に「ヒ」「ヒ」と傍記】にときこえ
つるなり見給へよけさうひ【懸想び 注①】たるふみのさまかさて
もなを〳〵し【注②】の御さ ◦(ま)やとし月にそへていたうあな
【注① 恋心を持っているような行動をする】
【注② いかにも賎しい。】