← 前のページ
ページ 90 / 156
次のページ →
翻刻
ふちころも露けきあきの山人は
しかのなくねにねをそそへつるよからねとおり
からにしのひやかなるこはつかひなとをよろしう
きゝなし給へり御せうそこい【左に「ヒ」と傍記】とかうきこえ給へと
いま◦(は)かくあさましきゆめのよをすこしもおもひ
さますおりあらはなんたえぬ御とふらひもきこえ
やるへきとのみすくよかにいはせ給ふいみしういふ
かひなき御心なりけりとなけきつゝかへり給ふ
みちすからもあはれなる空をなかめて十三日の
月のいとはなやかにさしいてぬれはをくらの山