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コレクション: コレクション3

発疹窒扶私予防の訓 - 翻刻

発疹窒扶私予防の訓 - ページ 4

ページ: 4

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【右】 れら公衆(ひと〴〵)の早(はや)くその豫防法(ふせぎかた)に注意(きをつ)くるは肝要(かんえう)なることに て愈(いよ)〳〵病毒(びやうどく)が蔓延(はびこ)り大流行(おほばやり)となりてからは防(ふせ)ぎ止(と)むる ことも容易(ようい)に出來(でき)ずこれを逃(のが)れやうとしても中(なか)〳〵間(ま)に 合(あ)はぬなりそれゆゑ政府(かみ)にては豫(かね)て傅染病豫防規則(うつりやまひふせぎかたきそく)を設(まう) けられてもありこの上(うえ)追々(おひ〳〵)流行(はうや)ることゝならば必(かな)らず亦(また) それ〳〵の御世話(おせわ)もあるべけれど若(も)しそれに引(ひ)きかへ公(ひと) 衆(びと)が他人事(ひとごと)のやうに思(おも)ひ居(を)り各々(めい〳〵)にてよく意(き)を注(つ)くるこ となければ遂(つひ)に吾(わ)が日本國中(につぽんこくちう)の公衆(ひと〴〵)の上(うへ)にいかんる大危(だいやく) 難(なん)を受(う)くるも測(はか)り難(がた)し因(よ)りて公衆(ひと〴〵)はよく〳〵これらの事(こと) を考(かんが)へてとも〴〵油斷(ゆだん)せず専(もつぱ)ら此(こ)の怖(おそ)ろしき傅染病(うつりやまひ)を防(ふせ) ぐことを心掛(こゝろか)くべし今(いま)公衆(ひと〴〵)の心得(こゝろえ)となさんが為(ため)にその病(やまひ) の性状(たち)と豫防法(ふせぎかた)とを次(つぎ)に述(の) 【左】    病(やまひ)の性状(たち) 発疹窒扶私(はつしんちふす)は性(たち)の惡(わろ)き熱病(ねつびやう)にて餘程(よほど)烈(はげ)しく人々(ひと〴〵)に傳染(うつ)る ものなりその容體(ようだい)は最初(さいしよ)に風(かぜ)引(ひ)きたるが如(ごと)き心地(こゝち)して一(からだ) 身披倦(ぢうだる)く食氣(しよくき)なく噴嚔(くさめ)咳嗽(せき)など出(で)て頭痛(づゝう)眩暈(めまひ)惡寒(さむけ)し四肢(てあし) に疼痛(いたみ)ありそれより後(のち)大(たい)そう寒(さむ)けして戰(ふる)へること一度(いちと)ま たは度々(たび〳〵)ありて熱(ねつ)が急(きふ)に劇(はげ)しく出(い)で目赤(めあか)く涙(なみだ)を流(なが)し頭痛(づゝう) 四肢(てあし)關節(ふし〴〵)の疼痛(いたみ)いよ〳〵強(つよ)く四五/日(にち)めになると赤(あか)き發疹(でもの) が胃窩(むなさき)から出來(でき)はじめて軀幹(からだ)より四肢(てあし)にまで蔓延(はびこ)りこの 時(とき)熱(ねつ)は同様(どうやう)に劇(はげ)しくて漸々(だん〳〵)精神(き)が恍惚(ぼんやり)となり譫言(うはこと)もあり 身體(からだ)ます〳〵疲(つか)るゝなり大抵(たいてい)はかやうの容體(ようだい)なれどその 中(うち)には軽(かろ)きもあり重(おも)きもありて見(み)た景況(ようす)の少(すこ)しは差(ちが)ふも のなり又(また)ことによると發疹(でもの)の出來(でき)ぬものも稀(まれ)にあるべし