疫病関連資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

発疹窒扶私予防の訓 - 翻刻

発疹窒扶私予防の訓 - ページ 5

ページ: 5

翻刻

【右】 〇此(かく)の如(ごと)き容體(ようだい)のあるに於(おい)ては醫師(いしや)も大抵(たいてい)は診(み)て発疹窒(はつしんち) 扶私(ふす)と極(き)め家内(かなひ)のものにもそれと知(し)らすべけれど地方(とち)に より醫師(いしや)によりては傷寒(ちやうかん)とか瘟疫(うんえき)とかしたり神經熱(しんけいねつ)とか 腐敗熱(ふはいねつ)とか發斑熱(ほつぱんねつ)とか名(な)をつけたりまたは熱病(ねつびやう)だの疫邪(えきじや) だの疫病(やくびやう)だのいへどつまり発疹窒扶私(はつしんちふす)の容體(ようだい)あらば矢(や) はり発疹窒扶私(はつしんちふす)と心得(こゝろえ)て居(ゐ)るが宜(よろ)し〇この病(やまひ)は流行(はや)り出(だ) せば何地(いづち)といふ差別(しやべつ)なく流行(はやり)りその病毒(びやうどく)は人の大勢(おほぜい)居(ゐ)る 處(ところ)や狭(せま)くて不潔(きたな)き處(ところ)や空気(くうき)の流通(かよひ)よくなき處(ところ)に出來(でき)て人 に著(つ)きそれより人から人に傳染(うつ)り廣(ひろ)がり閉(と)ぢ籠(こ)めたる室(へや) または船(ふね)の中(なか)にては取(と)り分(わ)け毒(どく)のいきほひが強(つよ)くまた始(はじ) めて流行(はや)る土地(とち)にては毎(いつ)もその病(やまひ)が烈(はげ)しきものなりその 毒(どく)を輸(はこ)ぶ物(もの)は病人(びやうにん)の口鼻(くちはな)より出(い)づる呼気(いき)または身體(からだ)より 【左】 出(い)づる蒸發氣(いき)などにて病人(びやうにん)に近(ちか)よるは勿論(もちろん)その毒(どく)を含(ふく)め る居室(へや)、衣服(きもの)または器具(だうぐ)より感染(うつ)るこれを感受(ひきう)くるは貴賤(きせん) 老若(らうにやく)、男女(なんによ)の別(べつ)なく身體(からだ)や衣服(きもの)の不潔(きたなき)と食物(しよくもつ)の不良(あしき)と飢餓(ひだるき) と身體(からだ)の衰弱(つかれ)と度(ほど)に過(す)ぎたる労作(はたらき)と夜行露臥(よあるきのじやく)などゝが皆(みな) その原因(もと)となるなり    豫防法(ふせぎかた) 豫防法(ふせぎかた)は前(まへ)にいへる病毒(びやうどく)の傳染(うつり)かたを考(かんが)へてそれを避(よ)く るなり故(ゆゑ)に第一(だいいち)各人(めい〳〵)の住家(すまひ)を平日(へいじつ)よりも猶(なほ)さら清潔(きれい)にし て室(へや)の内(うち)によく空気(くうき)を通(かよ)はせ狭(せま)き處(ところ)に大勢(おほぜい)居(ゐ)ぬ様(やう)にし衣(き) 服(もの)を度々(たび〳〵)洗濯(せんたく)し又(また)よく浴(ゆ)に入(はい)り不良食物(あしきしよくもつ)を禁(きん)じて滋養(やしなひ)と なる物(もの)を食(く)ひ雨風(あめかぜ)に打(う)たれたり夜行(よあるき)したり薄被(うすぎ)で寝(ね)たり せずじて風引(かせひ)かぬ様(やう)に用心(ようじん)し身體(からだ)を強健(じやうぶ)にする様(やう)注意(きをつ)く