Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 105

ページ: 105

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咎(とがむ)にもあらず。常衣(じよい)用意(ようい)ありしは。流石(さすが)の動静(ふるまひ)なり。君(きみ)にも俟(また)せ給ふべし。 早(はや)く伺公(しこう)いたさるべしと。慇懃(いんぎん)に応接(わうせつ)し。時頼(ときより)も館(やかた)へ帰(かへ)られけり。此(この)時頼(ときより) が演舌(ゑんせつ)を聞(きく)もの。有難(ありがた)き執権(しつけん)の直言(ことば)かなと。皆(みな)感涙(かんるい)をながしつゝ。是(これ)より 人心(じんしん)温和(おんくは)を得(え)て。騒動(さうどう)は良(やうやく)鎮(しづ)まりたり。于爰(こゝに)張本人(てうほんにん)越後守(ゑちごのかみ)は。我身(わがみ) より出(いで)し動乱(とうらん)とはしらで。此(この)虚(きよ)に乗(じよう)して事(こと)をなさんと。態(わざ)と御所(ごしよ)に昵近(ちつきん) せしに。家(いへ)の子(こ)源藤太(げんとうだ)馳参(はせさん)じ。光時(みつとき)を呼出(よひいだ)し。君(きみ)にはいかで猶予(ゆうよ)なし給ふ哉(や)。 既(すで)に今朝(こんてう)よりの騒乱(さうらん)は。日頃(ひごろ)の御隠謀(ごゐんほう)露顕(ろけん)より事(こと)を発(はつ)せしなり。御謀(ごはう) 計(けい)にては候(さふら)はんなれど。此処(このところ)にかく打(うち)とけ給はんは最危(いとあやふ)し。早(はや)く御帰館(ごきくはん)あつて 急(きう)に事(こと)を謀(はかり)給へと。密(ひそか)に容静(ようす)を告(つげ)ければ。光時(みつとき)は大(おほひ)に驚(おどろ)き。是非(ぜひ)の返(へん) 答(とう)にも及(およ)ばす。直(たゞち)に御所(ごしよ)を罷出(まかりいで)。門前(もんぜん)より馬(うま)に鞭(むち)うつて。走帰(はせかへ)ると其(その)まゝ。 かねて示(しめ)し合(あわ)せし。一族(いちぞく)従類(じゆうるい)。人(ひと)を走(はせ)て催(もよほ)すといへども。不測(ふしぎ)に一人(いちにん)も着到(ちやくとう) せず。日来(ひごろ)股肱(ここう)と頼(たの)みし従卒(じゆうそつ)。死(し)を誓(ちか)ひたる郎等(ろうどう)も。皆(みな)ぬけ〳〵と逃(にげ)