Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 118

ページ: 118

翻刻

返答(へんとう)にも及(およ)はず逃(にげん)とするを。則(すなはち)追伏(おつふせ)召捕(めしとり)たるよしを申に。時頼(ときより)さもあらん と打点頭(うちうなづき)。済田(さいだ)に命(めい)じて。其者(そのもの)を見せしむるに。豈(あに)計(はか)らんや。害(かい)せられたる女(をんな) の合壁(となり)なる。忠五郎(ちうごらう)といへるもの也。時頼それ〳〵其奴(そやつ)糺問(きうもん)せよと命(めい)し給へば。 歩卒(ほそつ)厳(きび)しく鞭(むち)うては。初(はじ)めはさま〴〵に陳(ちん)ぜしが。鞭(むち)の数(かず)屡(しば〳〵)なるがまに〳〵。 苦(くる)しみに絶(たへ)かねて。済田(さいだ)が刀(かたな)を掠(かすめ)し事。又/女(をんな)を害(がい)して調度(てうど)金銭(きんせん)を奪(うば)ひ。 其/罪(つみ)をのがれんため。其刃(やいば)を又/済田(さいだ)が軒(のき)に埋(うづ)めし件々(てう〴〵)。有(あり)のまゝに白状(はくしやう) に及(およ)べば。時頼(ときより)直(たゞち)に忠五郎を禁獄(きんごく)させ。他日(たじつ)死罪(しざい)に処(しよ)せられたり。さて 済田(さいだ)および両人(ふたり)の太刀取(たちとり)を召(めさ)れ。汝(なんぢ)両人/朕(わが)命(めい)を守(まも)りて能(よく)勤(つとめ)たりと。密(ひそか)に 白銀(しろかね)を給り。又/済田(さいだ)に宣(のたま)ふは。汝(なんぢ)が生質(ひとゝなり)を熟思(じゆくし)するに。至極(しこく)老実(らうじつ)にして。 しかも慈愛(しあい)深(ふか)し。故(ゆへ)に其罪(そのつみ)汝(なんぢ)にあらさる事(こと)を知(し)る。今日(けふ)より我(われ)に仕(つか)へん 哉(や)。嘉伝次(かてんぢ)は頓首(とんしゆ)なし。再生(さいせい)の鴻恩(かうおん)。願(ねがは)くは犬馬(けんば)の労(らう)をたすけて。報謝(はうしや) し奉(たてまつ)らん。時頼/満足(まんぞく)の色(いろ)をなして。家人(けにん)の列(れつ)に加(くは)へ給ひ。又/白銀(しろかね)許多(あまた)