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へ駆込(かけこみ)剰(あまつ)さへ。白刃(はくじん)を持(もち)て騒(さわが)せたる科(とが)。法(はふ)によつて宥(ゆる)しがたし。不便(ふびん)ながらも
佐渡(さど)の島(しま)へ。遠流(おんる)申/付(つく)ると演聞(のべきか)さるれは。春常(はるつね)は頓首(とんしゆ)なし。感佩(ありがた)き
御裁断(ごさいだん)。仮令(たとへ)死刑(しけい)に処(しよせ)らるとも。御場所(ごばしよ)弁(わきま)へ奉らざる段(だん)。恐入(おそれいり)奉る処(ところ)也と。
速(すみやか)に配所(はいしよ)に赴(おもむ)く。又/紀重経(きのしげつね)事(こと)。此(この)一件(いつけん)に於(おゐ)ては。自作(みづからなせ)るには非(あ)らざれども。
兼(かね)て家人(けにん)の示戒(しめしかた)正(たゞ)しからざるが故(ゆゑ)にこそ。斯(かゝ)る狼藉(らうぜき)も出来(いでく)めれ。これ重経(しげつね)。
君(きみ)を軽(かろん)じ奉るに相当(あた)れりと。平左衛門尉諏訪入道(ひらざゑもんのぜうすはにうたう)を台使(つかひ)として。重経(しげつね)に
其罪(そのつみ)を責(せめ)て。則(すなはち)丹後(たんご)の所領(しよれう)を没収(もつしゆ)し。領地(れうち)を入道(にうだう)に預(あづけ)られ。重経(しげつね)には
下総(しもふさ)の国内(こめち)にて。纔(わづか)の所領(しよれう)を給(たま)ひて。蟄居(ちつきよ)せしむ。其後(そのゝち)松田弥(まつたや)三郎を
召(めし)て。非常(ひじやう)を事(こと)故(ゆへ)なく取鎮(とりしづめ)たる体(てい)。神妙(しんめう)の動静(ありさま)なりとて。白銀(しろかね)に太刀(たち)
一振(ひとふり)をぞ給りたり。かく賞罰(しやうばつ)顕然(たゞしく)と裁断(さいだん)ありしかば。諸国(しよこく)の管領(くはんれい)にいたる
まで。家臣(かしん)をいましめ。無礼(ぶれい)を禁(きん)じ。君徳(くんとく)を重(おも)んじ奉(たてまつ)る事(こと)。日頃(ひごろ)に倍(ばい)し。倍臣(ばいしん)
の輩(ともがら)まで。謙退辞譲(けんたいじじやう)して。非礼(ひれ)いさゝかも無(なか)りしかば。自然(しぜん)上下和座(じやうかくはぼく)の境(さかひ)