Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 129

ページ: 129

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七郎兵衛/謹(つゝしん)て。命令(おほせ)畏(かしこま)り奉る。去(さり)なから此金子(このかね)に於(おい)ては。しばらくも 我家(わがや)に留置(とゞめおか)ん事(こと)。甚(はなはだ)迷惑(めいわく)に存(そんじ)。且(かつ)は盗難(とうなん)の恐(おそ)れも御座(こざ)候えは 希(こひねがは)くは君(きみ)御/預(あづか)り被下候はゝ。此上(このうへ)なく難有(ありかたき)よしを申。時頼(ときより)うち笑(わら)ひ。則(すなはち) 処(ところ)の庄官(せうや)を召(め)され。爾々(しか〳〵)の旨(むね)を告(つげ)て。此金子(このきんす)を預(あづ)け。明朝(めうてう)七郎兵衛と 倶(とも)に持参(ぢさん)仕(つかふまつ)れと下知(げぢ)し給ひ。駒(こま)を急(いそ)がせ。江(え)の島(しま)にまうで給ふ。斯(かく)て翌(よく) 二日/早天(さうてん)。横大路村(よこおほちむらの)荘官(せうや)傳蔵(でんざう)を召連(めしつれ)。腰越村(こしこへむら)庄官(せうや)七郎兵衛を将(い)て 評定所(ひやうでうしよ)へ罷出(まかりいづ)。時頼/出座(しゆつざ)ありしかば。腰越(こしこへ)の荘官(せうや)預(あづか)り奉(まつ)りし財巾(さいふ) を御前(ごぜん)に置(おく)。時頼/先(まづ)傳蔵(でんざう)に向(むか)ひ。財巾(さいふ)を落(おと)せし子細(しさい)を尋(たづね)給ふに。 七郎兵衛が申に露違(つゆたが)はず。時頼/両人(れうにん)に向(むか)ひ。汝等(なんぢら)が老実(らうじつ)にして無(む) 慾(よく)潔白(けつはく)。今(いま)の世(よ)には有難(ありがた)し。左有(さあ)らば道路(たうろ)にすたれるこの金(かね)。則(すなは)ち 将軍(せうぐん)へ捧(さゝ)ぐべし。両人とも申/分(ぶん)なきや。傳蔵七郎兵衛/頭(かしら)をさげ。我物(わがもの)なら ねど。此金子(このきんす)。執権(しつけん)の御執計(おんとりはからひ)以(も)て。将軍家(しやうぐんけ)に納(おさ)まり候事。いか計(ばかり)有難(ありがた)く