Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 135

ページ: 135

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涙(なみだ)を流(なが)して拝謝(はいしや)し給ふ。此母(このはゝ)にして此子(このこ)あり。尼公(にこう)の戒示(かいじ)。時頼(ときより)の謹(きん) 行(こう)豈(あに)孟母子(もうぼし)に劣(おと)らめや     鎌倉海陸種々怪異話(かまくらかいりくしゆ〴〵けいのこと) 寛元(くはんけん)五年二月廿八日/改元(かいけん)あつて。宝治年(ほうぢ)元年と改(あらため)られしか三月十一日 の暁(あかつき)。由比(ゆひ)が浜(はま)の浪上(なみのうへ)。見る〳〵血(ち)に変(へん)し。潮(うしほ)の色(いろ)朱(しゆ)のことく。ことさら 旭(あさひ)に映(ゑい)じて。赤色(あかいろ)天(てん)を焦(こがす)が如(ごと)し。貴賤(きせん)老若(らうにやく)立走(たちはし)り。群(むらが)り見て これを怪(あや)しみ。心中(しんちう)何(なに)となく危(あや)ぶむ処(ところ)に。翌(よく)十二日/戌(いぬ)の刻(こく)に大流星(おほりうせい)。 艮(うしとら)の方(かた)より坤(ひつじさる)に飛行(とびゆく)其音(そのおと)。宛然(あたかも)雷鳴(らいのなり)磤(はためく)がごとく。其(その)光暉(ひかり)暫(しばら)く 白昼(はくちう)に異(こと)ならず。又同十七日/何方(いづかた)よりともなく。黄色(きいろ)の蝶(てふ)一/塊(かたまり)飛来(とびきた) ると覚(おぼ)えしが。四方紛々(よもふん〳〵)として。須臾(しはらく)に又/空中(くうちう)より群(むらか)り下(くだ)り。広(ひろ)さ 十/丈(でう)。長(なが)さ三段余(さんだんあまり)にして。宛(あたか)も黄絹(きぎぬ)を引(ひき)はへたる如(ごと)く。これが為(ため)に朱(やし) 門(き)商戸(あきんどや)も皆(みな)黄色(きいろ)に映(ゑい)じて。黄金(こがね)もて門戸(もんこ)を造(つく)るがと怪(あや)しまる