Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 138

ページ: 138

翻刻

我(われ)執権(しつけん)とならはやと。種々(こま〴〵)【「こま〴〵」は「さま〴〵」ヵ】思慮(しりよ)をめぐらして。専(もつは)ら時節(じせつ)を待居たるが又 こゝに。彼(かの)秋田城介景盛入道覚地(あきたしやうのすけかけもりにうどうかくち)が嫡子(ちやくし)義景(よしかげ)は藤(とう)九/郎盛長(らうもりなが)の嫡(ちやく) 孫(そん)にて。家門(かもん)に於て人に恥ず。殊更(ことさら)義重(よしかす)。当時(とうじ)執権時頼(しつけんときより)とは交(まじは)り最(もつと)も 深(ふか)かりしかば。自(おのづ)から其(その)威勢(いせい)肩(かた)をならぶる者(もの)もなく。実(げに)哉/両雄(れうゆう)威(い)を逞(たくましく) するときは。一方(いつほう)傷(きづゝく)の金言(きんごん)。義景(よしかげ)は泰村(やすむら)を悪(にく)み。三浦(みうら)は秋田(あきた)が身(み)に凶事(けうし) あらん事を思ひ。互(たがひ)に其中(そのなか)よからざりしが。いかゞして聞出(きゝいた)しけん三浦に隠謀(ゐんほう)を企(くはたて) を知(し)り。須波哉(すはや)三浦(みうら)を斃(たを)さんは。此/時(とき)なりと密(ひそか)に歓(よろこ)び。父/入道覚地(にうだうかくち)なる 者(もの)は。高野山(かうやさん)隠栖して。今は武門(ふもん)に交(まじは)らざるを家(いへ)にむかへ泰村が企(くはたて)のあら ましを語(かた)り。則(すなはち)覚地(かうち)を以(もつ)て。時頼(ときより)に通(つう)ぜしむ。時頼も兼(かね)てより。泰村(やすむら)が心(しん) 中(ちう)を察(さつ)すといへども。今/是(これ)を糺(たゞ)さんとすれば。一/族(ぞく)の親(したしみ)を破(やぶ)り。加之(しかのみならず)天下の 騒動(さうどう)万民(はんみん)の恐怖(けうふ)ともならんを憚(はゞか)り。よし哉(や)彼(かれ)いか計(ばかり)の謀計(ほうけい)ありとも。 我行跡(わかげうせき)。天道(てんとう)に叛(そむ)かずば。いかで本意(ほんゐ)を達(たつ)する事を得(え)んと。いよ〳〵信義(じんぎ)を