Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 146

ページ: 146

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通路(つうろ)既(すで)に隔(へだて)たりければ。馬(うま)を門前(もんぜん)にすゝめ。当御門(とうごもん)を守護(しゆご)し給ふ人々(ひと〴〵)。 比田(ひだ)五郎左衛門/尉盛時(でうもりとき)。北条殿(ほうでうどの)を守護(しゆご)せんがために参(まい)りたり。御門(ごもん)を開(ひら)か れ給へと。高声(かうせう)に呼(よば)ばれば。門内(もんない)より答(こた)へて。比田殿(ひだどの)には北条家(ほうてうけ)に。殊更(ことさら)交(まじは)り 深(ふか)しと兼(かね)て聞(きく)に。かゝる大事(だいし)の御時(おんとき)に。御猶予(ごゆうよ)あるこそ不審(ふしん)也。夫(それ)は兎(と)あれ。 北条(ほうでう)どのを守護(しゆご)せんは。我々(われ〳〵)も同(おな)し処(ところ)なり。さらば時頼公(ときよりかう)の下知(げぢ)もなきに。 比田(ひだ)どのにもあれ。御門(ごもん)を得(え)こそ通(とふ)すまじ。御門外(ごもんぐはい)に陣(ぢん)し給ひて。重(かさ)ねての 御下知(おんげち)を待(まち)給へと答(こた)ふ。盛時(もりとき)大(おほひ)に立腹(りつふく)し。かゝる折(をり)から論(ろん)は無益(むやく)。門(もん)を通(とふ) さずは通(とふ)さぬまでと。馬上(ばじやう)に真(すつく)と起(たつ)よと見えしが。曳(ゑい)と一声(ひとこへ)掛(かけ)ると等(ひと)しく。 門腋(もんわき)の塀屋根(へいやね)に飛上(とびあが)り。又(また)も一跂(ひとはね)はね飛(とん)で。門内(もんない)固(かた)めたる武蔵(むさし)の党(とう)が。頭(づ) 上(ぢう)を越(こへ)て。五丈(ごじやう)ばかり彼方(あなた)なる。庭上(てうせう)に下(お)り立(たつ)形容(ありさま)。飛鳥(ひてう)の如(ごと)く見えし かば。門(もん)の内外(うちと)かためたる軍兵(ぶんべう)。我(われ)を忘(わす)れて飛(とん)だりや盛時(もりとき)。越(こへ)たりや比田(ひだ)五郎と 一同(いちど)に鬨(どつ)と褒(ほめ)たりける。盛時(もりとき)は耳(みゝ)にも掛(かけ)ず。直(たゞち)に時頼(ときより)の前(まへ)に出(いで)て。その