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泰村(やすむら)罷出(まかりいで)。心諸(しんてい)申/伸(のべ)んと覚悟(かくご)せしに豈計(あにはか)らんや。夜中(やちう)に数千(すせん)の兵(へい)
軍(ぐん)を集(あつ)め。旌籏(せいき)鎗戈(ひやうぐ)を立連(たてつらね)給はんとは。昨夜(さくや)の使旨(かうでう)に反(はん)じて。三浦(みうら)を
討(うた)んとしたまふ哉(や)。爰(こゝ)を以(もつ)て泰村(やすむら)伺公(しかう)を憚(はゞか)る処(ところ)なり。若又(もしまた)他人(たにん)の邪(じや)
を責(せめ)んため。兵(へい)を集(あつ)め給ふとならば。物(もの)其(その)員(かず)にはあらざれど。三浦(みうら)の一類(いちるい)
引卒(いんそつ)して。君(きみ)が一臂(いつぴ)を助(たす)けつゝ。命(いのち)を軍門(ぐんもん)に軽(かろん)ぜんは。我党(わがとう)兼(かね)て願(ねがふ)ふ処(ところ)
なりと。誠(まこと)しやかに相述(あいのぶ)れば。時頼(ときより)完然(くはんぜん)として面(おもて)を和らげ。今(いま)に始(はじ)めざる
泰村(やすむら)が厚意(かうい)。且(かつ)申/越(こさ)る条々(でう〳〵)尤千万(もつともせんばん)なり。尤(もつとも)諸士(しよし)の馳参(はせまい)る事(こと)。神(しん)以(もつ)て
我(わが)招(まね)きしにはあらず。風評(ふうへう)の喧(かしま)しきによつて。遠近(ゑんきん)をいはず馳参(はせあつま)りし厚志(かうし)を。
いかで無足(むそく)にはなし難(がた)く。故(ゆへ)に今朝(こんてう)は其党(そのとう)々々(〳〵)に面会(めんくはい)し。礼謝(れいしや)を伸(のべ)て
退去(たいきよ)せしめんとす。抑(そも〳〵)此度(このたび)の騒動(そうどう)。ひとへに天魔(てんま)の所為(しよい)なるべき歟(か)。
泰村(やすむら)に別心(べつしん)なくんば。時頼(ときより)にも隔意(きやくゐ)なく。此上(このうへ)は館(やかた)を守護(しゆご)する大小(だいせう)
の軍兵(ぐんべい)。夫々(それ〳〵)に退去(たいきよ)なさせん。其方(そのほう)にも助勢(じよせい)の一族(いちそく)を帰(かへ)さしめて。人民(じんみん)の