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驚動(きやうどう)を鎮(しづ)めん計略(けいりやく)こそ願(ねが)はしけれど。老実(ろうじつ)なる返答(へんとう)に。子平太(こへいだ)大(おほひ)に
屈伏(くつふく)しいそぎ帰(かへ)りて泰村(やすむら)に通(つう)じ。急に武器(ぶき)を取(とり)かくし。氏族等(しぞくら)をも一先(ひとまづ)
帰(かへ)し。門(もん)をひらきて。合戦(かつせん)の体(てい)をとゞめけるに。北条方(ほうでうかた)にも馳集(はせあつ)まりし軍(ぐん)
兵(へい)に。それ〳〵の引出(ひきいで)もの賜(たま)ひ。厚(あつ)く礼謝(れいしや)しいとまを給りければ。軍兵(ぐんべう)どもは
心(こゝろ)を易(やす)んじ。時頼(ときより)の仁慈(しんじ)を感称(かんせう)し。太刀(たち)は鞘(さや)。弓(ゆみ)は袋(ふくろ)にし。皆(みな)万歳(ばんぜい)を
となへつゝ自第(じてい)自国(じこく)に帰りけり
正治室(まさはるのしつ)以(もつて)_レ死(しを)顕(あらはす)_二貞潔(ていけつを)話(こと)
こゝに三浦方(みうらがた)に与力(よりき)せし。関(せき)左衛門/尉(でう)政泰(まさやす)といへるは。若狭前司泰村(わかさのぜんしやすむら)が
妻(つま)の兄(あに)なれば。今度(このたび)泰村(やすむら)が招(まね)きに応(おう)じ。中門(ちうもん)を固(かた)め守(まも)りたるに。双方(さうほう)
和平(わへい)調(とゝの)ひ。両家(れうけ)に集(あつまり)たる軍兵(ぐんへう)夫々(それ〳〵)に立帰(たちかへ)る。政泰(まさやす)も本国(ほんごく)常陸(ひたち)へ下(くだ)
る道(みち)にて。何物(なにもの)が讒(ざん)しけん。此度(このたび)北条(ほうでう)の和平(わへい)は。一旦(いつたん)三浦(みうら)の一族(いちぞく)を宥(なだ)め。
不意(ふゐ)に誅伐(ちうばつ)せん時頼(ときより)の謀計(ぼうけい)。それともしらず。三浦(みうら)の一族(いちぞく)。おめ〳〵国(くに)へ