Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 185

ページ: 185

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を以(もつ)て。彼(かれ)が訴(うつた)ふ処(ところ)の偽(いつはり)を察(さつ)し給ふべし。此時(このとき)小次郎/容(かたち)を改(あらた)め。時頼(ときより)に 向(むか)ひ。恐(おそれ)ながら申上度/一件(いつけん)御座候。某(わたくし)太刀(たち)を盗(ぬす)まれしと申/儀(ぎ)は。且(かつ)不通(ふつ) 無之(これなく)。全(まつた)く虚言(いつはり)に御座(ごさ)候。其所以(そのわけ)は。我(わたくし)生国(せうこく)は津国(つのくに)の百姓(ひやくせう)にて。父(ちゝ)を 六郎助(ろくろすけ)と申。尤(もつとも)先祖(せんぞ)は錆刀(さひがたな)をも差(さし)たる者(もの)のよし。然(しか)るに管領家(くはんれいけ)御家臣(ごかしん)。 大村彦次郎(おほむらひこじろう)と申/仁(ひと)の。甚(はなはた)入魂(じゆこん)にて度々(たび〳〵)入来(じゆらひ)ありしが。則(すなはち)私(わたくし)が母(はゝ)なみと 申/者(もの)に不義(ふぎ)をいひかけ。数通(すつう)の艶書(ゑんしよ)。度々(とゞ)の狼藉(らうせき)。されども母(はゝ)身(み)を堅(かたふ)し 道(みち)を守(まも)り。彼(かれ)が心(こゝろ)に従(したがは)ざりしを。夫(おつと)ある故(ゆゑ)に免(ゆる)さしとおもひけん。又(また)は遺恨(いこん) を散(さん)ぜんとにや。父(ちゝ)六郎助(ろくらすけ)隣村(りんそん)へ行(ゆき)て。深更(しんかう)に帰(かへる)を路(みち)にて殺害(せつがい)なす。 尤(もつとも)何人(たれ)の仕業(わざ)とも知(し)れざる処(ところ)。死骸(なきから)の傍(かたはら)に。金無垢(きんむく)の藤(ふぢ)の丸(まる)の定紋(でうもん) に。浪(なみ)の彫物(ほりもの)したる赤胴(しやくだう)の小柄(こづか)あり。是(こ)は彼(かの)彦次郎(ひこじろう)が。好(このみ)にて打(うた)せし処(ところ)にて 或時(あるとき)母(はゝ)に見せて。其許(おんみ)の名(な)を柄(つか)に彫(ほら)せ。動(うごき)なき定紋(でうもん)を居(すへ)て。武士(ものゝふ)の 魂(たましひ)てふ佩刀(わきざし)に蔵(おさ)め。昼夜(ちうや)身(み)を離(はな)たず佩(おぶ)る心中(しんぢう)。豈(あに)憎(にく)むべきにあ