Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 216

ページ: 216

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覆蔵(ふくざう)すべからずと宣(のたま)へば。藤綱(ふぢつな)低頭(ていとう)して答(こたへ)けるは。愚蒙(ぐまう)短才(たんさい)の某(それがし)。君(きみ)が 慈恵(じけい)によりて。権門(けんもん)に列立(れつりう)すれども。我身(わがみ)をだに未(いま)だ修(をさ)めがたく。いはんや 名君(めいくん)の是非(ぜひ)を争(いかで)か見咎(みとが)め奉(たてまつ)るべき。然(しか)れども御鬱懐(ごうつくはい)を述(のべ)給ふを 無下(むげ)に黙止(もだし)奉(たてまつ)らんも恐縮(おそれいり)候えは。愚意(ぐい)の奔(わし)る処(ところ)言上(ごんぜう)仕るべし。抑(そも〳〵) 近来(きんらい)天下(てんか)の人民(じんみん)。重(おもん)じ慎(つゝしむ)べき政法(せいはふ)を軽(かろん)じ。犯(おか)し誡(いましむ)へく畏(おそる)べき非義(ひぎ) を恣(ほしいまゝ)にし募(つの)ることは。全(まつた)く君(きみ)の御行跡(ごぎやうせき)の非(ひ)なるにはあらず。又(また)政道(せいたう)を誤(あやま)り 給ふにも候はず。只(たゞ)是(これ)。上(かみ)は下(しも)に遠(とを)く。下(しも)は上(かみ)に遥(はるか)にして。上下(しやうか)懸隔(けんかく)のその 中央(あいだ)に。猶(なほ)不祥(ふしやう)の雲霧(くもきり)たち覆(おほふ)が故(ゆゑ)。上(かみ)は人民(じんみん)の困苦(くるしみ)を臨(のぞ)みたまふ 事かたく。下(しも)は上(かみ)の仁慈(いつくしみ)を仰(あふ)ぐに便(たより)なく。是(これ)よりして私欲(しよく)無道(ぶたう)の争論(そうろん) 発生(おこり)て。互(たがひ)に己(おのれ)を是(よし)とし。人(ひと)を非(あた)として。争論(あらそひ)止(やみ)がたく。仍(よつ)て。明裁(めいさい)を蒙(かうふり)て 邪正(じやせう)を分(わか)たんと。公聴(こうてう)に訴(うつた)ふ。しかるに頭人(とうにん)評定等(へうでうら)。あるひは内縁(ないゑん)の依怙(えこ)。 又(また)は賄賂(わいろ)の贔屓(ひいき)によつて。彼(かの)不祥(ふしやう)の雲隔(くもへだゝ)りて。上(かみ)に訴(うつたへ)を通(つう)せず