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剰(あまつ)さへ其非(そのひ)も黄金(こがね)の光輝(ひかり)にまぎれて理(り)となり。邪(じや)も綾羅(あやにしき)に裏蔵(つゝみかく)
されて正(しやう)と変(へん)ず。故(かるがゆへ)に愚者(ぐしや)はこれを国政(こくせい)なりと歎(なげ)き。智者(ちしや)は上(かみ)
を恨(うら)みて憤(いきどふ)り。自(をのづか)ら遺恨(いこん)を含(ふく)めり。是(こゝ)を以(もつ)て遠境(とふきくに)の守護(しゆご)目代(もくだい)
も。頭人(ぢうしよく)評定衆(へうでうしゆ)に内縁(ないへん)あらん事(こと)を欲(ほつ)し。珍器(ちんき)重宝(てうはう)をもつて親睦(したしみ)を
結(むす)ふ。左(さ)有(ある)則(とき)は。たとへ百/姓(せう)を虐(しいた)げ。他領(たれう)を押領(わうれう)すといへども。其罪(そのつみ)を問(と)ふ
事(こと)なく。適(たま〳〵)評定所(ひやうでうしよ)に愁訴(しうそ)すといへども前件(ぜんけん)のごとし。故(かるがゆへ)に天下/自(おのづか)ら
穏(おたやか)ならず喧(かまびす)しといへども。中間(ちうけん)に蔽隔(へたて)あるが故(ゆへ)。君(きみ)さらに知(しろ)し召(め)されず。
これ上下(せうか)遠(とふ)く在(ある)が故(ゆへ)なり。凡(およそ)人の歩(かち)を行(ゆく)もの。一日に十里を分限(ぶんげん)と
す。君(きみ)堂上(とうしやう)に。在(あり)し事(こと)を。十日にして聞(きこ)し召(め)るゝは。百里の情(しやう)に遠ざか
り。堂下(たうか)に事(こと)あつて三ヶ月(けつ)に及(およ)びて聞(きこ)し召(め)さるゝは。千里に遠(とふ)ざかり。
門庭(もんてい)に事あれども一年までも聞(きこ)え上(あげ)ざるは。万里に遠(とふ)ざかるにて。重職(じうしよく)
頭人(とうにん)評定人(へうでうにん)君(きみ)の耳目(じもく)を蔽(おほ)ひ塞(ふさ)ぎ。下(しも)の情(じやう)上(かみ)に達(たつ)せざれば。君/居(ゐ)な