Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 220

ページ: 220

翻刻

らざるには非(あらざる)なり。猶この事(こと)に於(おゐ)ては重(かさ)ねて談(だん)すべしと。引物(ひきもの)多(おほ)く今日(けふ) の賞(しやう)と給はり。其日(そのひ)は軈(やが)て退出(たいしゆつ)せり。かくて時頼(ときより)は二階堂(にかいだう)信濃入道(しなのゝにうたう) を招(まね)き。藤綱(ふちつな)が忠言(ちうげん)一什一伍(いちぶしじう)を告(つげ)給ひて。密話(みつは)数刻(すこく)にし。則(すなはち)昵近(ちつきん)の内(うち) 廉直(れんちよく)の者(もの)十弐人を選出(えらみいたし)。密(ひそか)に鎌倉中(かまくらぢう)に散在(さんざい)せしめ。重職(ぢうしよく)老臣等(らうしんら)の 是非(よしあし)を探聞(さぐら)しめ。又三十人をすぐり五畿七道(ごきひちどう)に密行(しのば)させ。諸国(しよこく)の探題(たんだい) 目代(もくだい)の正邪(せいじや)をかんがへさせ給ふに。藤綱(ふぢつな)が申/如(ごと)く。重職(ぢうしよく)其外(そのほか)評定衆(へうでうしゆ)を始(はしめ)。 其(その)職分(しよくぶん)に依怙(えこ)の沙汰(さた)。又は賄賂(わいろ)によつて理非(りひ)を転(てん)じ。無道(ぶたう)非法(ひはふ)の 輩(ともがら)三百/余人(よにん)を記(しる)し出(いだ)す。又(また)諸国(しよこく)へ遣(つか)はせし者(もの)とも。又弐百/余人(よにん)を 聞出(きゝいだ)す。時頼(ときより)信濃入道(しなのゝにうたう)および藤綱等(ふぢつなら)。夫々(それ〳〵)商議(せうき)決断(けつだん)して。一々(いち〳〵)に召(めし) 出(いだ)し。新古(しんこ)の罪(つみ)の理非(りひ)を正(たゞ)し。科(とが)の軽重(けいぢう)深浅(せんしん)にしたがひ。或(あるひ)は死(し)を賜(たま)ひ 遠島追放蟄居(ゑんたうつひはうちつきよ)等に処(しよ)し給ひしかば。諸士(しよし)を始(はし)め宿老(しゆくらう)の面々(めん〳〵)までも。 各(おの〳〵)恐怖(きやうふ)の色(いろ)見えて其(その)職々(しよく〳〵)を相守(あひまもり)けり