Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 227

ページ: 227

翻刻

川(かは)に十文銭(じうもんせん)を索(もと)めんとて。数貫文(すくはんもん)の費(ついえ)せし事(こと)を聞(き)く。これ所謂(いはゆる)程(てい) 子(し)が雍花(ようくは)に遊ぶのとき。従(したが)ふ処(ところ)の弟子(でいし)。壱貫文(いつくはんもん)の銭(ぜに)を湖水(こすい)に落(おと)せし に。十倍(しうばい)銭(せん)を出(いだ)して。程子(ていし)これを拾(ひろ)ひ上(あげ)たるに等(ひと)しく。賢人(けんしん)の道(みち)に合(かな) ふ処(ところ)なり。夫(それ)国(くに)に老子(ろうし)あれば。褒(はうび)を給(たま)ふ。况(いは)んや忠臣(ちうしん)賢者(けんしや)に於(おいて)をや。 君(きみ)いかでか賞(せうし)給はずんばあるべからずと宣(のたま)へば。藤綱/謹(つゝしん)でこれを承(うけたま)はり。 補任状(ふにんでう)を入道(にうどう)の膝下(まへ)に置(お)き。重々(かさね〴〵)感佩(ありがたき)尊命(そんめい)。謝(しや)し奉(たてまつ)るに物(もの)なし。併(しかし) ながら。八幡宮(はちまんぐう)の神託(しんたく)ならんには。猶更(なほさら)拝領(はいれう)仕がたく。且(かつ)君命(くんめい)の程(ほど)さへ 却(かへつ)て歎(なけかはし)く候。其(その)所以(ゆゑ)は既(すで)に金剛経(こんがうきやう)に如夢幻泡影(によむけんばうゑい)。如露亦如電(によろやくによでん)と 説(とか)れて候。君(きみ)専(もつぱ)ら国政(こくせい)に御心(みこゝろ)をいためしめ。数(かず)ならぬ短才(たんさい)の某(それがし)を。慈愛(じあひ)し 給ふ御心(みこゝろ)より。斯(かゝ)る夢(ゆめ)をも御覧有(ごらんあり)しもの乎(か)。若又(もしまた)藤綱(ふぢつな)大胆(だいたん)不忠(ふちう)のもの なりと夢見(ゆめみ)給はゝ。聊(いさゝか)犯(おか)せる科(とが)あらずとも。夢想(むさう)示現(じけん)の旨(むね)にまかせ。死(し) 罪(ざい)にも処(しよせ)られんか。凡(およそ)君(きみ)に事(つかふきつる)もの。忠義(ちうぎ)を尽(つく)さゞる者(もの)なく。元来(もとより)報(はう)