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コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 234

ページ: 234

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とも。些少(すこし)も其威(そのゐ)を示(しめ)さず。慈恵(じけい)老実(らうじつ)なりしかは。領民(れうみん)も帰降(きがう)して互(たかひ)に 争(あらそ)ひ募(つの)る事を■(はぢ)【愧ヵ恨ヵ】おもひ。郷村(かうそん)甚(はなは)だ親睦(しんほく)和合(わかう)して。殊(こと)に穏(おだやか)なりし程(ほと)に。 泰時(やすとき)及(およ)び時頼(ときより)よりも。度々(たび〳〵)褒美(ほうび)に預(あつか)りしが。一/朝風(てうかせ)の心地(こゝち)にて臥(ふし)たりしに 終(つい)に天寿(てんじゆ)の限(かぎり)にや。黄客(こうかく)の員(かず)に入しより。嫡男(ちやくなん)一藤太といへる三十/未満(みまん) の壮士(そうし)。家督相続(かとくさうぞく)なすといへども。生質(せいしつ)父(ちゝ)に似気(にげ)なく。奸曲(かんきよく)邪智(じやち)深(ふか)ふして 仁慈(じんじ)をしらず。強欲(けうよく)逞(たくまし)ふして。剰(あまつ)さへ女色(ちよしよく)に耽(ふけ)り度々(たび〳〵)無懶(ぶらい)のこととも 多端(おほかりし)。なれども北條の支流(わかれ)なれば。自然(しぜん)恐(おそ)れて強訴(がうそ)する者(もの)なく。領民(れうみん) これがため。他領(たれう)に移住(いぢう)する者(もの)もありとかや。一藤太(いつとうだ)はかの小八郎の富(ふく) 有(ゆう)なるが故。度々(たび〳〵)課役(くはやく)無心(むしん)を申(いひ)かけて。金銀(きん〴〵)を慾(むさぼる)といへども領主(れうしゆ)の事(こと)と いひ。俗(ぞく)にいへる有袖(あるそで)は振易(ふりやす)しと。異議(いぎ)なく調達(てうたつ)なしたるが。いかなる折(をり)にか彼(かの) 照子(てるこ)を垣間看(かいまみ)。春情淫欲如奔馬(ほれ〳〵としたるこゝろとゝめがたく)。人をして己(おの)が妻(つま)たらん事を申納(いひいるゝ)と いへども。小八郎は兼(かね)て一藤太が無懶(ふらい)を怨憎(うらみにくみ)。其(その)うへ一子なれば他(た)に嫁(か)せ