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各位等(おの〳〵たち)に面(おもて)を合(あは)すも愧入処(はぢいるところ)なり。しかはあれども。時宗(ときむね)のいまだ幼若(ようじやく)
なるが故(ゆへ)。拠(よんどころ)なく入道(にうだう)の身(み)にて。是(これ)までは政事(せし)をとる。然(しか)るに時宗(ときむね)幸(っさいは)ひに
良(やゝ)成長(せいてう)に及(およ)びて。外(ほか)に学問(かくもん)をこのみ。内(うち)に道徳(どうとく)をたしなみ。進(すゝ)んでは
仁(じん)を専(もつは)らとし。退(しりぞひ)ては行(おこなひ)に失(しつ)あらん事(こと)を顧(かへり)み。頗(すこぶ)る賢者(けんじや)の徳(とく)備(そなは)りて。
実(げに)も天下(てんか)執政(しつせい)の器量(きりやう)あり。仍之(これによつて)向後(いご)時宗(ときむね)に悉皆(しつかい)委(ゆだ)ねんとす。重職(てうしよく)
頭人(とうにん)評定衆(へうでうしゆ)。其外(そのほか)老臣(ろうしん)の面々(めん〳〵)も。此旨趣(このししゆ)を存(ぞん)じ。弥以(いよ〳〵もつて)邪(よこしま)非道(ひどう)を禁(きん)し。
故泰時君(こやすとききみ)の式目(しきもく)にしたがひ。国家鎮護(こくかちんご)をはかり給ふべし。又(また)朕(われ)入道(にうとう)に
於(おひ)ては。すでに多(おほ)くの人民(じんみん)を苦(くる)しめて。既(すで)に現当(げんとう)二世(にせ)の。願意(ぐはんい)を失(うしな)はん
とせしなれば。仏神(ぶつしん)の冥慮(めうりよ)まことに恐(おそ)るべし。父祖(ふそ)の善悪(ぜんあく)は必(かならず)子孫(しそん)に
報(むく)ふときけば。因果(ゐんぐわ)の道理(だうり)のがるまし。されば向後(いご)最明寺(さいめうじ)に閑居(かんきよ)して。
北条(ほうでう)の子孫(しそん)後栄(こうゑい)。及(およ)びわが罪障(ざいしやう)消滅(せうめつ)。未来(みらい)安穏(あんをん)を仏祖(ぶつそ)に祈(いの)り申
さん。よつて各(おの〳〵)に対面(たいめん)も今日(けふ)を限(かき)りなるべしと宣(のたま)へば。並居(なみゐ)る重役(ぢうやく)以(い)