Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 280

ページ: 280

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によりて。漸(やうや)く長(ひと)となるに及(およ)んで。良賢(れうけん)と名乗(なのら)しむ。元来(もとより)十知(じつち)の才(さい)ある が故(ゆへ)に。学業(がくげう)も日々(ひゝ)に進(すゝ)みしかば。別当(べつたう)もいよ〳〵愛憐(あいれん)ふかゝりけり。この話(こと) 疾(と)く北条(ほうてう)家に聞(きこ)えけれ共(ども)。慈恵(しけい)深(ふか)き時頼朝臣(ときよりあそん)。ことさら得道出家(とくたうしゆつけ)と なりたるを。更(さら)に捕(とら)へて刑戮(けいりく)せんも。便(びん)なき業(わざ)と思(おぼ)しつゝ。不識容(しらぬかほ)にて 置(おか)れたり。抑(そも〳〵)良賢(れうけん)が生質(ひとゝなり)。奇才(きさい)怜悧(れいり)人(ひと)に超(こ)へ。蛍雪(けいせつ)の功績(いさほし)を積(つま)ず して諸経(しよきやう)を暗(そらん)し鍼縄(しんでう)の自戒(いましめ)を俟(また)ずして議論(きろん)を悟(さと)る。かるがゆゑに 別当(べつとう)の覚(おぼ)えも目出(めで)たく。一山(いつさん)の若僧原(しやくさうばら)。其碩学(そのせきかく)多才(たさい)を称誉(しやうよ)なし。 自然(おのつから)位威(いきほひ)肩(かた)を並(なら)ぶるものなく。こと更(さら)力量(ちから)また衆(ひと)に超(こへ)て百斤(ひゃくきん)を 挙(あぐ)るに労(くろう)なく。加之(しかのみならす)いかにしてか伝(つた)えけん。隠形(みかくし)の奇術(きじゆつ)をさへ修練(しうれん)なし。 事(こと)に興(けう)して其不測(そのふしぎ)をみせしかば。山内(さんない)の侍分(さふらひ)青坊主(あほはうづ)をはじめ。近郷近村(きんかうきんそん) の侠客等(おとこたて)。又(また)其(その)力量(りきれう)剣法(けんはふ)。あるは隠形(みがくし)の教(をしへ)をしたひ。これが膝下(しつか)に 諂諛(べんゆ)【てんゆヵ】する者(もの)多(おほ)かりける。斯(かく)僧徒(さうと)に似気(にげ)なき動静(ふるまちひ)【ふるまひヵ】なして衆人(しゆにん)を