Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 71

ページ: 71

翻刻

厚(あつ)く礼謝(れいしや)をのべ。懇(ねんごろ)に使者(ししや)をねぎらはる。爰(こゝ)によつて時々刻々(しゞこく〳〵)のおくり物(もの)。 矢来(やらい)の内外(うちと)に山(やま)をなす。泰時(やすとき)も。爰(こゝ)に始(はじめ)て其(その)遠計(ゑんけい)をしり。則(すなはち)見(み) 舞(まひ)資施(しせ)として。米弐百石/鳥目(てうもく)百貫を賜(たま)ひ。猶(なほ)日々(にち〳〵)に品々(しな〳〵)の資(し) 料(れう)を与(あた)へらる。故(かるがゆへ)に数日(すじつ)施(ほどこす)といへども。物(もの)尽(つく)ることなく。尤(もつとも)往来(わうらい)の旅人(りよじん)には。 その行(ゆく)べき行程(かうてい)の日数(ひかず)をはかり。焼米(やきこめ)又は餅等(もちとう)をたまひ。孤独(こどく)の者(もの) は仮屋(かりや)にとゞめて。薪水(しんすい)の役(やく)をつとめさせ給ふが故。溝壑(かうがく)に顚倒(てんとう)せず。 道(みち)に餓死(がし)を見ず。自(おのづ)から日々(にち〳〵)に国民(こくみん)穏(おだやか)にして。おのれ〳〵が職業(しよくけう)を励(はげ)み。 これ全(また)く若君(わかぎみ)の仁恵(じんけい)による処(ところ)と。貴(き)となく賤(せん)となく。戒寿丸を尊(たふと)み。 嗚呼(あゝ)此君(このきみ)。早(はや)く天下(てんか)の政治(せいじ)を執(とり)給へかしと。願(ねが)はぬ者(もの)はなかりけり    戒寿丸謙遜戒従臣話(かいじゆまるけんそんしうしんをいましむこと) 寬喜(くわんき)三年十月。将軍家(しやうぐんけ)御祈願(ごきくはん)の事(こと)まし〳〵。二階堂(にかいたう)のうちに。五大(ごたい) 明王堂(めうわうだう)を御建立(ごこんりう)あるべき台命(たいめい)あつて。工匠棟梁(たいくのとうれう)。矢切(やきり)次郎大夫/奉(うけ給はり)。