Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

. Japonais 180-181 - 翻刻

. Japonais 180-181 - ページ 94

ページ: 94

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ならんとせし。これ仮(かり)の世(よ)に有(ある)が故(ゆゑ)。迷雲(まよひくも)にも蔽(おほは)れぬれ。今(いま)幸(さいはひ)の明王(めうわう)の。利(り) 剣(けん)を以(もつ)て。執着(しうぢやく)の念(おもひ)をたちて。潔白(けつはく)清浄心(しやう〴〵しん)となりぬれば。此時(このとき)を過(すご)さず。菩(ぼ) 提(だい)の門出(かどで)なさば。極楽(ごくらく)仏国(ぶつこく)にいたらん事(こと)。何疑(なにうたがひ)かあらん。暫(しばら)くも此(この)穢土(えど)に 有(あ)るこそ恐(おそ)ろしけれと。此始末(このしまつ)を具(つぶさ)に遺書(いしよ)して。数丈(すでう)の飛泉(たき)を攀登(よぢのほ)り。 眼下(がんが)の峨々(がゝ)たる岩上(がんせう)に。身(み)を倒(さかさま)に投落(なげおとし)て。頭(かしら)を砕(くだ)き死(しゝ)たりけるも。嗚呼(あゝ)末(まつ) 世(せ)の今(いま)の僧徒(さうと)には。有難(ありがた)かりける志(こゝろざ)しなり     頼嗣公元服頼経公上洛話(よりつぐこうげんぶくよりつねこうせうらくのこと) 寛文(くはんぶん)【「寛文」に取消線。上欄に書込み「恐天文乎 寛元」】二年の春(はる)。将軍頼経公(しやうぐんよりつねこう)。倉卒(にはか)に鎌倉(かまくら)の神社仏閣(じんじやぶつかく)。巡覧(じゆんらん)し給はん 命令(めいれい)によつて。供奉(ぐぶ)には北条(ほうてう)五郎/時頼(ときより)を上供(ともがしら)とし。其外(そのほか)近仕(きんしゆ)外侍(とさま)の輩(ともがら)。 少々計(せう〳〵ばかり)召連(めしつれ)られ。質素(しつそ)を専(もつぱ)らとして巡見(じゆんけん)ある。是(こ)は此二三ヶ/年(ねん)。打(うち)つゞきて 風雨(ふうう)火災(くはさい)あり。田畠(でんはた)民家(みんか)損亡(そんばう)多(おほ)く。四民(しみん)の恐怖(けうふ)止(やむ)ときなく。六ヶ/年(ねん)に五ヶ 度(と)の改元(かいげん)なし。諸社(しよしや)諸山(しよさん)に。奉幣(はふへい)法楽(はふらく)屡(しば〳〵)にて。天神地祇(てんじんちぎ)及(およ)び仏陀(ぶつだ)の。